AMUでは、これまで多種多様な業界の経営者の皆様にインタビューしてきました。
その中で「企業にとって良い人材の確保は重要事項である」という話を何度も耳にしています。
インターネットが情報発信の主流になって以降、採用する側である企業は積極的に利用しています。では応募する学生側はどうでしょうか?
応募する側が企業の素顔を見たいと思うように、企業側も応募してくる学生さんの素顔が見たいと思うのは自然な考えです。
私たちにできるのは、記事を書くこと。そしてコンテンツを企画することです。
企業と学生さん、双方にとってわかりやすいコンテンツって何だろう?
考えた結果、試みの第一弾として、「未来にチャレンジする若者を応援したい!」をキーワードに大学生にインタビューを行いました。
そして、記事執筆だけでなく、Webマーケティングを手掛けるアイランドマーケティングさん・動画制作会社のエディットラボさん協力のもと動画制作にもチャレンジしています!インタビューは、AMU代表の鹿倉安澄が担当しました。
第一弾は、IT関連事業を行うお父様を持つ、島澤一杜さんにインタビューしました。
お名前の読み方は「いっと」。由来は、お父様のお仕事であるITなのだとか。IT革命と言われた西暦2000年の節目の年に生まれ、積極的に経験を重ねて、未来に挑戦している姿が印象的な好青年。今、何を考え、何を目指しているのか?
さっそく、インタビュー記事と動画をご覧ください。
母の勧めで始めたサッカー
子どもの頃からサッカーを続けてきた一杜さん。
お母様からすると元気が有り余っている子どもだったようで、発散させる場所を求めて、近所のサッカークラブに入ることになったのだとか。
一杜さん サッカーは5歳で始めました。気づいたらサッカーをやっていました(笑)水泳も習っていたんですが、サッカーに集中したかったので「クロール25メートル泳げるようになったら辞めてもいい」と言われ、がんばって泳げるようになってすぐに辞めました。その分、サッカーを増やして週3回になりました。
さいたま市の浦和エリアに住んでいて、地元の浦和レッズをずっと応援してきました。Jリーグに興味を持つようになってから練習にもさらに力が入っていきましたね。
挫折と再開
一杜さん 中学校では部活動のサッカー部には入らず、浦和のクラブチームに所属していました。
「なによりも楽しい」その一心でプロ選手を目指し、サッカーを続けてきた子ども時代。しかしながら、中学に入ると少しずつ状況が変わってきます。
一杜さん 中学2年生くらいから、練習でも試合でも思うような結果が出せなくなってきました。身長は160センチほどで痩せ型。チームメイトは成長期を迎え、ぐんぐん背を伸ばし体が大きくなっていくなか、僕は完全に出遅れていました。
足の速さで遅れを取り、自信のあった足元のテクニックだけではカバーしきれず…。
クラブチームでは、だんだんと試合への出場機会が減っていきました。プロになりたかったので、試合への出場機会がどうしてもほしくて。
悩んだ末に中学3年生のときに、通っていた中学校のサッカー部に入り直しました。
出場機会を求めて、中学卒業までの最後の1年間を中学校のサッカー部で過ごすと決めた一杜さん。
中学の部活に所属してがんばってきた子からすれば、「クラブチームで試合に出られなくなったから」という理由で学校の部活動に入ってくるなんて、いい気がしないのでは?と、少し心配になります。
率直に聞いてみると、一杜さんはそれも覚悟の上だったのだとわかりました。
一杜さん 入部にあたっては顧問の先生としっかり話し合い、最終的に入部を決めました。中学校のサッカー部では3年生でも新人の立場ですから、ボール拾いから始めました。中学3年間で培ったチームの団結力もあって、チームのみんなはよく思わなくても当然なのに、温かく迎え入れてくれて。
少しでも出場機会をもらったときは、チームのために全力で走り、必死に監督にアピールしました。
クラブチームに所属していた時に伸び悩んでいた身長ですが、ちょうどその頃に細身ではあったものの170センチ超えに急成長。努力も欠かさず、3年生の最後の大会ではメンバーに選ばれ出場を果たしたそうです。
目指したのは『理学療法士』
高校受験を経て、サッカー強豪校であり進学校でもある市立浦和高校に入学し、サッカー部に入部しました。
背は伸びたものの痩せ型の一杜さんは、パワー面でチームメイトとの差を感じ始めます。それだけでなく、大きな故障はないものの、鈍い痛みや不調が続いたそうです。
一杜さん 最終的には高校まででサッカーは引退しようと思っていました。その頃はサッカーを楽しいと感じられなくなっていました。
高校2年生の頃、練習の強度が上がり、体がついていかなくなってきて…。それでも日々の練習と向き合い、試合に出るためにレギュラー落ちしないようにと、痛くとも無理にでも体を動かしていました。
そんなとき、試合中の競り合いで肩を脱臼、病院で理学療法士さんのお世話になったんです。
脱臼を経験し、肩を上げるのが怖くなってしまったのですが、理学療法士さんが安心感のある持ち方でサポートしてくれました。回復までのプロセスを考えながら関わってくれたんです。
肩を上げるのも怖い状態でしたが、リハビリで出会った理学療法士さんが体の動かし方を丁寧に教えてくれて、少しずつ回復していきました。
一杜さん 「無理に体を動かせばいいというわけではない。体に合った動かし方を考えて、運動するべきなんだ」と初めて気が付きました。
高校生活にも終りが見えてきて、将来のことを考え始める時期でした。僕はその時に「理学療法士になりたい」と思ったんです。
今思えば、体の成長や運動強度に合わせた、正しい体の使い方ができていなかったから、ちょっとした不調が増えていったのだと思います。あの頃の自分に会えるなら、アドバイスしてあげたいなぁと思いますね。
挫折とケガを経験し、将来進みたい道が見えてきたイットさん。部活引退後、受験勉強に励みます。
一杜さん どうしても国公立で理学療法の勉強ができる大学に行きたかった。実は一度、受験に失敗しているんです。それでも理学療法士への思いは諦めきれず、二度目のチャレンジで合格。東京都立大学理学療法学科に在学中です。※2023年11月現在
高校3年生で引退したサッカーですが、浪人中に1年離れたことで、またやりたいと思う気持ちになってきました。大学生になってから、いいタイミングで高校のサッカー部の仲間に誘われ、一緒に社会人サッカーチームを立ち上げることになりました。
コロナ禍の2020年に立ち上げた社会人リーグサッカーチーム『ランゲ浦池』ではキャプテン兼GMとしてチーム運営しながらプレイしています。
いざ理学療法士の道へ
現在、大学4年生の一杜さんは、2024年4月から理学療法士として、埼玉県内の総合病院での勤務が内定しています。
一杜さん とはいえ理学療法士の国家試験は来年の2月下旬。まだこれから、気は抜けません。
理学療法士は、医師の指示のもと、作業療法士や言語聴覚士と連携して、リハビリテーションを行います。
総合病院では、幅広い患者様のリハビリを行うことになります。
理学療法士は、リハビリ関連の国家資格の中では最も歴史があります。対象は幅広く、事故やケガだけでなく、病後の体力低下に対して行うリハビリもあります。
治療はお医者様が行いますが、病気が治ればすぐに元の生活に戻れるわけではありません。患者さんがスムーズに以前の生活に近い状況に戻れるよう、サポートするのが理学療法士の仕事。現在、理学療法士を置く病院は増えており、目指す人も多い資格です。
一杜さん 総合病院にはさまざまな患者様がいらっしゃいます。そこで学べることは大きいと思っています。みなさんが抱える症状が違うからこそ、真摯に向き合えると思うんです。入職後は理学療法士として強みを最大限まで伸ばしたいと考えています。
サッカー×理学療法士 健康寿命を延ばす未来へチャレンジ
「ひとつの会社で定年までずっと働き続ける」わけではない時代。現代の若者はその先のキャリアプランも考えている人が多いと聞きます。
今は就職先でのお仕事のことで頭がいっぱいでも、理学療法士として経験を積んだその先を一杜さんはどう考えているのでしょうか?
一杜さん まだ構想段階ですが、いつかは自分のサッカー経験を活かし、サッカーと理学療法を掛け合わせて、健康寿命を延ばす取り組みをする会社を創りたいと思っています。
大学生になってからは社会人サッカーチームでの活動も始め、フットサル場やパーソナルジムでのアルバイトも継続してきました。アルバイト先ではサッカーを通じてケガをしない体づくりをサポートしています。
「楽しみながらサッカーテクニックを身に着けてもらい、生涯スポーツとしてのサッカーを広めていきたいと考えている」とまっすぐな目で語る一杜さん。
日本人は男女とも平均寿命が延びています。寿命が90歳であったとしても、70歳から20年体の不調を抱えたままでは生活するのも大変。一杜さんの取り組みは、健康寿命を延ばすことにもつながり、需要がありそうですね。
一杜さん サッカー選手の選手寿命は短く、トップ選手でなければほとんどが20代半ばで引退します。だからといって、サッカーというスポーツが若くないとできないというわけではありません。
“ウォーキングフットボール”という歩いて行うサッカーもありますし、広いフィールドで走り回るだけがサッカーではないんです。年齢や体調、体力に合わせたサッカーを楽しんでもらいたいと思っています。
理学療法士の離職率が高いという現実があります。現在、理学療法士の働き先は病院が主ですが、理学療法士の知識は病院内にとどまらず、予防医療や健康的な生活に活かせるものだとか。一杜さんのアイデアは、理学療法士資格を持つ人の新たな選択肢にもなりうるのではないでしょうか。
夢の実現に向けて一歩一歩、着実に進む一杜さん。高校生でやりたいと決めたことを実際に行動に移し、まっすぐに向かっていけるのは、サッカーで培った強い精神力があってこそではないでしょうか。これからの活躍を見守っていきたいと思います。
本日はお話ありがとうございました。
制作
企画ディレクション
株式会社アイランドマーケティング
https://islandmarketing.co.jp/
動画制作
株式会社エディットラボ
https://editlabo.com/
コンテンツディレクション(動画・記事執筆)
株式会社AMU
https://amu-w.jp/