Google検索結果の表示変更!スクロールできない「ページネーション」が復活【SEOへの影響は?】

株式会社AMUの井上です。

「Googleの検索結果が変わった」「なにかが違う?」そんな疑問を持った人もいるかもしれません。

2024年6月25日、Googleは検索結果の画面表示を変更しました。

これまでは、検索結果をスクロールするだけで自動的に、20件、30件・・・と次々にページが読み込まれ、連続して見えていましたよね。それが7月9日現在、PCからは10件しか表示されません。

なぜこのような変更が行われたのでしょうか? SEO的にはどんな影響がありそうかも気になります。最新情報を紹介しながら見ていきましょう。

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Googleの検索結果が何か変!どう変わった? 

私たちは企業ブログやコラムの執筆代行や運用代行、SEO対策支援をしているので、Googleの仕様変更には日頃から着目しています。

先日、朝礼で「Googleの検索結果が変わったね」と話題になりました。

検索窓にキーワードをいれ検索すると、10件(※)のページが表示され、以降を見るには、画面最下部に現れる「次へ」をクリックする必要があります。

このような表示になるのは、現時点ではパソコンでの検索だけですが、近日中に、携帯からの検索結果の画面でも、同様の表示に変更される予定です。

※リスティング広告などの表示状況によっても、表示件数は微妙に異なります。

この「次へ」をクリックするスタイル、Google検索をよく使う人にとっては見慣れた画面かもしれませんが、実は「久しぶり」なんです。

Google検索結果で「1ページ目」「2ページ目」は2022年から完全に無くなっていた

Googleでは長らく、検索結果の1ページ目に10件、2ページ目に10件、3ページ目に10件、と10件ずつWebページを表示してきました。このように、検索結果をページごとに区切って表示させるやり方は「ページネーション」と呼ばれています。

しかし、2021年10月、スマホからの検索で、ユーザーが検索結果をスクロールすると自動的に2ページ目以降の結果が読み込まれるようになりました。スクロールを続ける限り、どこまでも検索結果が続いていくので「連続スクロール」「無限スクロール機能」などと呼ばれます。

2022年12月にはモバイル検索だけでなく、パソコンから行うデスクトップ検索も、連続スクロールでの表示に変わりました。

つまり、2022年末時点で、Google検索結果において「◯ページ目」という概念は完全になくなっていたのです。

変更の理由は? ユーザーの利便性アップのため常に検索結果の改善に努めるGoogle

Googleは創業当初から一貫して「ユーザーの利便性を第一に考える」と明言しています。
検索結果に連続スクロールを導入したのも、ユーザーの使いやすさ向上のためでした。
スクロールするだけでどんどんページが進んでいけば、「次へ」をタップ・クリックするよりもユーザーは快適ですよね。

では今回、なぜ連続スクロール機能が廃止され、ページネーションが復活したのでしょうか。

2024年7月10日現在、Googleが公式に発表している声明は存在しません。
ただし、海外発のSEO専門の有名サイト「Search Engine Land」によると、Googleの広報担当者は同社に対して、今回の連続スクロール機能の廃止理由を次のように説明したそうです。

(1)検索結果の表示速度を改善するため

(2)連続スクロール機能はユーザーの満足度アップに大きくは貢献しなかったから

(参照元:Continuous scroll launched in Google mobile search in October 2021 and on desktop in December 2022. 英語・外部リンク)

Googleにとって「速度」は重要テーマ

(1)について、個人的には、連続スクロール機能が出てきてから「検索が遅くなった」と感じたことはほぼありません。ただ、厳密に測定すれば表示速度が低下していたのでしょう。

Googleは「快適な表示速度」を目標の上位に掲げています。

3. 遅いより速いほうがいい。
Google は、ユーザーの貴重な時間を無駄にしないよう、必要とする情報をウェブ検索で瞬時に提供したいと考えています。自社のウェブサイトにユーザーが留まる時間をできるだけ短くすることを目標にしている会社は、世界中でもおそらく Google だけでしょう。Google は、Google のサイトのページから余計なビットやバイトを削ぎ落とし、サーバー環境の効率を向上させることで、自己の持つスピード記録を何度も塗り替えてきました。検索結果の平均応答時間は 1 秒足らずです。Google が新しいサービスをリリースするときは、常にスピードを念頭に置いています。モバイルアプリをリリースするときも、新時代のウェブにふさわしい高速ブラウザの Google Chrome をリリースするときも同じです。今後も、さらなるスピードアップを目指して取り組みを続けていきます。

Google が掲げる 10 の事実 https://about.google/philosophy/?hl=ja

複数のページを比較検討したいから検索結果の2ページ目、3ページ目まで見たい時もあれば、ちょっとした調べ物だから検索結果の一番上のサイトを見られれば満足、という時もあります。

連続スクロール機能があることで、前者のケースでも、ユーザーが求めてもいない2ページ目・3ページ目の結果を読み込むために動作が重くなるのはGoogle的にはNGなのでしょう。

連続スクロールは「イマイチな機能」だった?

(2)について、ページネーションの廃止・連続スクロール機能の導入は、期待していたほど、ユーザーの検索体験の向上につながらなかったとGoogleは感じているようです。

実際、Googleの検索ヘルプには「以前のページごとに分かれた表示に戻したい」というリクエストが複数寄せられており、「使いにくい」と感じたユーザーもいたとわかります。

個人的には、スクロールするだけで検索結果に並ぶ多くのページが見られるのは便利ではありましたが、自分が検索結果のどのあたりを参照しているのか、「迷子」になることがありました。

検索結果がページごとに表示されていた時は、次のページの検索結果を確認するためにクリックすることで「今、検索結果の20位台のウェブサイトを見ている」「そろそろ5ページ目か、だいぶ先の方まできたな」などと意識することがありました。

それに慣れていると、連続スクロール機能にやや違和感があったのも事実です。

SEO対策への影響は?

ユーザーの使い勝手にダイレクトに影響を与えるであろう、今回の表示変更。SEO対策上、どの程度の影響があるのでしょうか。

SEOの専門家・スペシャリストがさまざまな見解を発表しています。
中には「大きな影響はなく、特に対応の必要はない」と述べているものもあります。

実際のところは今後、データを追いかけて確かめるしかありません。ただ、私たちが社内で話した限りは「なんの影響もない」わけではないのでは、と感じています。

2ページ目以降を見る「ハードル」が上がる可能性

連続スクロールが廃止されたことで、2ページ目以降に掲載されているサイトを見るためには、クリック/タップという1アクションが必要になります。

「以前の仕様に戻っただけだから、影響はない」と見えるかもしれません。

しかし、連続スクロール機能が当たり前になっていたこの1年半のことを考えると、クリック/タップの一手間を「面倒」と感じるユーザーが、以前より増えている可能性があります。

検索結果の1ページ目のサイトがより閲覧される傾向が出てくるかもしれません。いろいろなキーワードで検索結果の上位にいるサイトではさほど影響がなさそうですが、20位・30位付近に掲載されているサイトでは、ユーザーの目に触れる回数が大幅に減る可能性もないとは言い切れません。

Google Search Consoleで、自然検索での表示回数を計測できます。6/27前後で、データを比較してみることをおすすめします。

現時点ではまだ推測しきれない要素が強い今回の仕様変更ですが、もしかしたら今後、「1ページ目に表示されること(10位以内獲得)」がより重要になるのかもしれません。

「ユーザー・読者を第一に考えて取り組む」方針に変更はなし

Googleはアップデート・仕様変更を繰り返していますが、すべては、検索者の利便性アップのため。細かい変更に振り回されず、読者の役に立つコンテンツを作るという基本姿勢で臨むことが大切です。

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AMUのコラムでは「SEOライティングについてこれが知りたい」「これってどうなの?」そんな疑問・ツッコミに答えていきたいと思っています。直球な質問・素朴な疑問、ぜひお気軽に、お問い合わせフォームからお送りください。

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この記事を書いた人

株式会社AMU代表取締役副社長。
大阪大学文学部を卒業後、言語聴覚士として大学病院や補聴器販売店でリハビリ業務・接客を経験。2017年、コンテンツ制作の道へ。Web制作会社でライター兼ディレクター職として企画・取材・執筆・編集を行う。コロナ渦の中国駐在を経て帰国、AMUに参画。

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